でも、やっぱ泣いてほしくない。
なぁ、瑠羽。
また俺は、あのときと同じような事をする。
お前の涙を、止めるためにも。
お前の頭ん中を空っぽにするためにも。
「なぁー」
「…っ?」
「瑠羽、バスケしよう」
「へ…?」
「雨ん中でバスケすんの難しいんだぞ」
「……」
「涙、雨で見えねぇから。やろ?練習しよーぜ」
「な、お…」
バスケ、で発散しろ。
何もかもすべて。
俺たちを繋げてる“バスケ”。
何もかも忘れさせてくれるバスケ。
…なぁ、瑠羽?
バスケは始まりと終わりだったな。
俺たちはまた“始まった”よな。
あのときと同じ言葉で、
あのときと同じ状況で、
少し違うのは、俺が笑ってるっつーこと。
俺が笑えば、瑠羽はいつだって微笑むから。
始まりがあるなら“終わり”がある。
また“終わり”が俺を待っているんだろうか――……?

