「直っ//!近い!」

「はぁ?いつもこんなだろ?」







なんなんだよ。

泣いたり照れたり大変だな。

まぁ…可愛くて愛しいんですが。






「近いのっ//」

「…ハイハイ」






…ちっ。

もー少し見たかった。

何が“近い”だ。

俺にしちゃ遠いんだっつの。








「直どうして?」






俺がここにいたのが不思議なんだな。

俺のお気に入りだし、ここ。








「ここで暇潰してたら瑠羽が来て、泣いて、雨降ってきた」

「あー…、なんか邪魔した?」






邪魔なわけねぇ。

会いたくて…会いたくて…仕方なかったんだし。

あんなキスしてあんな事を言って俺から会いに行けるわけねぇし。

すげー、会いたかったんだ。







「いや?…でもフラれたんだ」

「な、んかさ…可愛いげないし、彼女って感じじゃないんだってさ」

「……」







はぁ?

“可愛いげない”だと?

どこをどう見て言ってやがんだよ。

バリバリ可愛いだろ。

いつもは素直じゃねぇけど甘えたり素直になった時の破壊力なめてんのかよ。

目ぇ腐ってんだろ。








「やっぱほら!友達?みたいな…、ノリが1番!可愛くないから可愛いげないとか言われても仕方ないし」

「…言うな」

「え…」

「それ以上なにも言うな」






瑠羽の泣き顔は見たくない。

泣きながら話す瑠羽を見るのが…辛い。

もう何も言わなくていい。

何もしなくていい。

――でも、

我慢しないで、泣けばいい。

泣き顔は嫌いだ。

…でも。

我慢されるのはもっと嫌いだ。

…っんとに矛盾するよな、俺。







「…廉とあたしはやっぱ友達、なんだよね!何だかんだで!」








…んな事言いながら1番傷ついてるくせに。

雨がうまく涙を隠す。

でも…俺はわかる。

瑠羽をいつだって見てきたんだから。