「おい。なにあからさまに逸らしてんだよ」

「な、んか…ダメ」

「はぁ?見ろよ」

「いーや!」

「…向かしてやる」






そう言うと、

下を向いてたあたしの頬を包むかのように両手で挟んできた。

――温かくて優しい大きな手で。







「…っっ///」

「…逸らすな」

「直…ダメ…っ…」

「逸らすんじゃねぇ」

「な、なんでよ!見ようが見まいがあたしの勝手でしょ!」

「…お前は俺しか見なくていい」

「…ん…?」

「お前は俺しか見んな」

「ちょ…直?」

「…とか言って。俺が見てほしいだけなんだけど」

「…うぅ//」







なに今の大胆発言!

照れちゃうよ…。




はっきり言えば。

廉にフラれて悲しかった。

だけど、解放された気もした。

もう苦しまなくていいんだって…

もう泣かなくていいんだって…。