廉の誕生日は結局なにも渡せなかった。
あれから1週間…。
屋上に行っても、直はいなくて。
…直に会えてない状況。
直に会うのが当たり前すぎて、なんだか寂しい。
「瑠羽?どうしたの?」
「愛弓…あみ…」
「ねぇ瑠羽。話して?直先輩、でしょう?」
「あみ…でも…!」
「いいの、瑠羽」
「…え?」
「あたし、ちゃんとフってもらえたの」
「あみ…」
「最初から結果なんてわかってたし、今はもう新しい恋を探してるの♪」
「案外近くに〜?」
「あ、愛弓ぃー!」
あみは、直に会えたんだ。
直…フったんだ。
あの日、直としたキス…。
まだ熱を持つ、唇。
あぁ…もうだめだ、あたし。
「瑠羽ー」
「由宇ちゃん?なに?」
「今日の部活俺休みだから遅れないんだよね」
「全然いいよ!むしろ、毎日ありがとう!疲れない?」
「疲れるもなにも隣だからかわんねぇーよ!(笑)」
「あ、そっかぁ!」
今日の部活、か。

