――ガチャ…



「―…直?」

「……」

「ごめん、直。」






直は壁にもたれて寝ていた。

…頬には涙の後がある。

あくび、かな?

……ごめんね、直。

直には謝ってばかり。







「直…」

「…んっ…る、う?」

「直、おはよ」

「…瑠羽」







ニコッと微笑んであたしを引き寄せる、直。






「直、弱ってるね」

「…おはよ」

「直、泣いてたの?」

「…なわけねぇだろ…」

「そっか…」

「…やべ、安心する」







あたしの体はスッポリ直の腕の中。

…安心する。

それはあたしもおんなじ。





「直…」

「……」






直の頬を触った。

やっぱり、冷たいし濡れてる。

あくび?涙?







「なんだよ、瑠羽」

「んー、冷たいなって」

「外に居たからじゃん」

「…だね」






それからしばらく抱き締められてた。