「家に帰ってすぐ、お風呂に入れ。妖怪だって風邪を引く時は引くからな」 そう言いながら少年の頭をグシャグシャと撫でる狐さんに、私はポカ~ンッと驚いた表情を向ける。 『き、狐さん。よいのですか??』 恐る恐る尋ねてみる。 「なんだ?反対されたかったのか?」 『う、ううん』 首を左右に振ると狐さんは、ならいいじゃないかと再び笑った。