狐さんに取り憑かれました2【短編】







「……言いたいことはそれだけか」




私の説明が終わって、ザーッと降る雨の中狐さんの低い声が聞こえた。




「とっととかえるぞ」




あの説明では、狐さんに私の気持ちは届かなかったのでしょうか??



少年と繋いでいない方の手を力いっぱいに握った。




「早く帰らないと風邪を引く。蓮華もそこのお前もな」




……え??



俯いた顔を上げると、狐さんは優しく微笑んでいた。