狐さんに取り憑かれました2【短編】






少年が泣き止むまで、背中をやさしく擦った。




ダンダンと落ち着き始めた少年を連れ、我が家に向けて歩き始めた。




妖怪嫌いの私が、自分から家に招き入れる日が来るなんて、誰が予想しましょうか……。




そんな事を考えると、笑いがこみ上げてくる。




でも、顔には出ない。




ポーカーフェイスは癖ですからね……。あんまり崩れることがないんですよ。




『やっぱり治さなきゃいけないのでしょうか……』




「?」



私の独り言に少年は、首をかしげた。