少年が泣き止むまで、背中をやさしく擦った。 ダンダンと落ち着き始めた少年を連れ、我が家に向けて歩き始めた。 妖怪嫌いの私が、自分から家に招き入れる日が来るなんて、誰が予想しましょうか……。 そんな事を考えると、笑いがこみ上げてくる。 でも、顔には出ない。 ポーカーフェイスは癖ですからね……。あんまり崩れることがないんですよ。 『やっぱり治さなきゃいけないのでしょうか……』 「?」 私の独り言に少年は、首をかしげた。