── ─── ──── ジューッと、鮭をフライパンに乗せて焼いていく。 だんだん、美味しそうな匂いが、部屋の中に充満していった。 鮭をひっくり返す雅の隣で、一生懸命、味噌汁を作っている土方。 使い方はもう大分覚えたみたいだ。 豆腐とわかめが浮かんでいく。 「美味しそう……」 思わず、そんな言葉が雅の口から漏れた。 盛り付けた鮭の隣には、黄色いたくあん。 そして、湯気が立った味噌汁に、炊きたてほかほかのご飯。 まさに、江戸時代でも食べられていたような料理が、食卓に並んだ。