── ─── ──── 「頼みがある。──市村」 その夜、土方は市村を部屋に呼び出していた。 市村は何かを覚悟した面持ちで、膝まずく。 「……はい」 きっと、これからの戦の事で何かを言われる。 戦で気を抜くな。 死ぬ気で戦え。 そんな事を言われると思っていたが……。 “頼みがある” その言葉に、市村は少し不安を覚えた。