──それから、数ヶ月が経ち……。 「それでは、誰か一人に、好きな歴史上の人物を発表してもらいます。では……桜川雅さん!」 日本史の授業。 雅は一人、焦っていた。 (好きな歴史上人物……⁉) 「がんばれー、桜川」 小さな声が聞こえてくる。 ちらりと後ろを見やると、永瀬が笑いながらこっちを見ていた。 しかしその時……。 ふっと、一人の人物名が雅の頭に思い浮かぶ。 「ひ……土方歳三さんです」 どうしてかは分からない。 雅も疑問だった。