天使の歌


セティが洗い終わった食器を持って、キュティと桜の元へ戻ると、キュティは不思議そうにセティを見た。

「セティ、どうしたの?」

「何が?」

「何だか疲れた顔してる。」

その言葉に、心臓が跳ねた。

いつものポーカーフェイスのつもりだったのに、キュティに見破られたのだろうか。

しかしキュティは立ち上がると、セティの額に手を当てた。

「っ。」

不覚にも、どきっとしてしまう。

手に持った皿を落としそうに なり、セティは慌てて指に力を入れた。

「熱は無いみたいだけど……具合悪いの?」

「…………。」

無理に嘘を付くより、若干 真実を混ぜた方が良い。

セティは そう判断して、小さく頷いた。

「ああ……ちょっと、怠いんだ。でも、直ぐに良くなるから。」

微笑んでみせると、キュティも ほっとしたように笑顔に なった。

「……怠いんなら、少し横に なってたら?私が診てあげようか?」

僅かに躊躇いを含んだ桜の声に、セティは彼女を見た。

大きな瞳に浮かんでいるのは――謝罪。

先程 避けた事を、気にしている。

セティは、そんな彼女にも微笑んでみせた。

「いえ、大丈夫です。お言葉に甘えて、少し休ませて貰いますね。」

そう言うと、セティは食器を置き、いつも寝ている場所に寝転がり、瞼を閉じた。