「優花、久しぶりー!!」

愛美が、私に抱き付く。数日間会ってないだけで、愛美は凄い変わった。

……そう。もう、ゴールデンウイークは終わってしまった……。楽しかったな……。と、思いながらも、またいつもの生活が始まると思ってた……。

今は、放課後。愛美とは、ちょっとすれ違って、今日初めて今会ったんだ。

「久しぶり!……愛美、何か怪我してない?特に、顔…」

「あぁ、ちょっとゴールデンウイーク中喧嘩三昧だったからね……」

「そっ、そっか……」

「あっ、そうそう。……優花、今日は気をつけてね?……月光組の奴らが、優花の事狙ってるから……」

「えっ?何で?」

「……それがさ、月光組の総長に、仲間にならねぇか?って言われたんだけど……。ちょっと、仲間の事も考えると、急に仲間には、なったらダメだと思って断ったんだよ……」

「ん?……それで、相手の総長が、何としてでも、仲間になろうとして、私を人質として、捕まえようっとしてる。って事…?」

多分だけど……。私の推理は、当たってるかな……?

「そうそう。まんま、それ。だから、気をつけてね?」

「分かった!」

「本当に分かったの?」

愛美が、呆れ顔で私の事を見る。

「うん!大丈夫、大丈夫!」

「何か……。優花の大丈夫は、信用出来ないんだけど……」

「それに、今日は生徒会の仕事が無いんだ!このまま帰れば、全然明るいし、大丈夫!」

「……まぁ、そうだよね……。私、この後、ちょっと用事があるから、優花の事、送りたいけど、送れないんだ…。雪斗も、用事があるらしいしさ……」

「大丈夫だって!それに、遅れたとしても、買い物をちょっとするだけだからさ!」

「……やっぱり、送った方が……」

愛美は、凄い心配そうな目で私を見る。……何か…私のお母さんみたい。愛美……。

「大丈夫、大丈夫!捕まりそうに、なっても、殴って逃げるからさっ!」

「優花のパンチ弱いし……」

「その前に、捕まらないよ!私の顔知らないでしょ!その人たっ…」

「知ってるよ……」

「あっ、そうなの?……でも、まぁ、大丈夫でしょ!……大丈夫、大丈夫!じゃあ、早く帰るために、もう、行くね!バイバイ!また、明日ね!」

私は、愛美の心配そうな目を知らんフリして、学園から出る。

そんなに……、私って…役立たずなのかな?その前に、私の事を見つけられるかな?その月光組の人達……。……私、地味だし……。まぁ、大丈夫だよね!

お母さん、お父さん……。私、大丈夫だよね?迷惑掛けないよね……?

「大丈夫だよね……?」

私は、少し眩しい空を見上げて心の中で、お母さん、お父さんに話し掛ける。
風が、一瞬強く吹き荒れた。私に、何かを伝えようとしてるかのように……。