「触んな、ボケッ!!!!」

「ぅわっ………」

「きゃっ………」

藍は、尚矢の脚を思いっ切り蹴った。尚矢は、バランスを崩して私の腕を引っ張りながら後ろに倒れる。

「いたたたた………」

「……………っぅ」

私は、尚矢の体に倒れこむ。

「ちょっと!優花から、離れてよ!!」

雪斗が、私の腕を引っ張り尚矢から引き剥がす。

「知らねぇよ……。オカマが、俺の脚を蹴ったから、倒れたんだよ」

パンパンと尚矢が、自分の体を叩く。

「ていうか、お前、地味に胸ちゃんとあるんだな」

尚矢が、私の胸を指差してニヤニヤしてた。

「さ、さささささ最低!!!!」

顔を真っ赤にしながら、愛美の後ろに隠れて尚矢を睨む。

「んだよ。褒めてんだよ」

「う、ううううるさい!!!!」

「おい、お前の手下を殺してきて良いか?」

愛美が、笑顔で(目が笑ってない)総長様に聞いていた。

「ふざけ…」

「ガハッ…………」

総長様が、答える前に。愛美とあっくんが、尚矢の事を殴っていた。

「話聞けよ!!!!」

「ごめんねー?梓君……。私の大事な優花ちゃんに、セクハラしたから。……お仕置きしないと………」

「じいちゃんの言うとおりだ。大丈夫、死んでない。多分」

私は、死にかけの尚矢に近づいて。息をしているか、確認する。

あの愛美と、あのあっくんに…。同時に殴られたら…死ぬよ…?!

「多分?!…ちょっと!愛美、あっくん!どれくらい強く尚矢を殴ったの?!息が、虫みたいに、細いよ?!」

私は、尚矢の顔を弱めに叩いた。

「尚矢……、起きて……。死んだら、ダメだよ………」

「ほっとけば、大丈夫だって」

愛美が、興味無さそうに言う。

「ダメだよ…。尚矢が死んだら…。私、悲しいよ…。南愛君だって…泣いちゃうよ…。それに…大切な人が…。いなくなったらね…凄い悲しいんだよ?……南愛君の大切な人は尚矢なんだから…。尚矢が、いなくなったら…南愛君、可哀想だよ……」

私は、泣きそうになりながら、尚矢の頬を思い切り抓った。

「………ぃ、……いでででで……!!!……お前、少し位手加減しろ!…………?お前、……なんで、泣いてんだよ……」

尚矢は、起き上がって、私の涙を指で拭いてくれた。

「……あ、生き返った………」

私が、良かった、と微笑んだら尚矢の顔は真っ赤に染まった。

「俺が、簡単に死ぬわけないだろ」

「………うるさいよ」

はぁ……、本当に良かった……。

「………まぁ、セクハラ男も生き返った事だし……」

愛美が、舌打ちしながら、そっぽを向いた。

「………後は、夏休みを待つだけだね」

雪斗が、ニコッと太陽のように温かく笑った。

「2年生として、最初で、最後の夏休み……」

藍が、可愛いく微笑んだ。

「思い出に残る夏休みにしたいねー」

直樹君が、口角を上げて夏休み中の事を考えながらニコニコ言う。

「大丈夫だろ。俺達なら、最悪で最高の夏休みに、なるだろうし」

風真君が、意地悪く笑った。

「勉強は欠かせないよ。勿論、遊びもね…」

要君が、メガネをクイッと上に上げてから、微笑む。

「絶対に、夏休み楽しもうね」

蓮さんが、目を細めて爽やかに笑った。

「当たり前だ。絶対に忘れられないような夏休みにする。な?中山優花!」

会長が、皆の発言をまとめるように、ニカッと笑った。

「はい!」

私は、ニコッと笑った。

「君達。忘れられたら困るんだけど。明日、終業式。その次の日からは、まだ遊べないからね」

あっくんの一言で、生徒会委員の皆のテンションが一気に下がった。


明日は、待ちに待った終業式です!前半は、大変そうだけど皆と協力して、楽しくて忘れられないような最高の夏休みになると良いな!