「「絶対に海!!」」

「「絶対に山!!」」

「「絶対にどっちとも!!」」

「ちょっと、皆……」

「ガキじゃねぇんだから……」

生徒会室で、皆がケンカしてた。何故か、生徒会に関係ないの総長様や尚矢まで。

私と愛美は、呆れながらケンカを止めようとするが意味もなく……。

「だって、夏休みだよ!?楽しく過ごしたいじゃん!だから、僕はどっちもって!」

「はぁ?!雪斗!あのなー、俺達には宿題がたんまり出るんだよ!んなもん、どっちとも行ってたら宿題終わんねぇんだよ!!」

「それは、風真がコツコツ計画的に宿題をしないからでしょ!!」

「そう言うオカマは、計画的に終わってんのかよ?」

「僕は、大体隙間時間を利用してるから、一週間程度で終わる。あっ、去年は三日」

「それは、藍にしか出来ない事でしょ?俺達は、普通人なんだから」

蓮さんが、優しく藍に説得してた。でも、藍は…。

「だったら、皆で協力して勉強会とかすれば良いじゃん!」

「協力するような、絆あるのかよ。今の生徒会の奴らによ」

「あっ、あるよ!!」

雪斗が、興奮状態で尚矢に言い返した。

「でもさ、俺達にそんな金あるの?」

要君の、声が静かに生徒会室に響いた。

「「「……………」」」

「たっ、多分……」

蓮さんが、苦笑いで答える。

「おっ、親が出してくれるだろ?頼めば…多分…」

「風真、お金をそんな簡単に出せたら苦労しないよ……」

直樹君が、声のトーンを落としながら言った。

「でもよ……」

「じゃあ、三つに分かれて勝負すれば?」

愛美が、呆れ半分で皆に提案する。

「はっ?どんな事でだよ…?」

総長様が、愛美に聞き返す。

「鬼ごっことか?」

「誰が鬼やるんだ?」

会長が、首を傾げた。愛美は、うーんと、声を出して…。

「じゃあ、私と優花は?」

「「「はっ?」」」

愛美以外の皆の声が重なる。

「優花は、足遅いかもしれないけど。私は、足に自信は少しあるし」

「えっ?酷くない?!」

「でも、女に捕まるとか…」

「愛美、中学の頃。生徒ほとんど抜かせる位足速かったよ?」

雪斗が、平然と答える。皆は、少し黙って。

「抜かせるだけだろ?俺達、リレーしたし……」

風真君が、藍と会長を指差す。

「どーでも良いから。早く勝負始めるぞ。三つに分かれろ」

愛美が、言って皆は渋々三つのグループに分かれた。

海グループ。
風真君、尚矢、要君。

山グループ。
蓮さん、直樹君、総長様。

全部グループ。
藍、雪斗、会長。

「じゃあ、私達は生徒会室で一分数える。その間に、お前らは学園内で隠れながら私達から逃げろ。1……2……3……」

愛美が、数え出すと皆が次々と生徒会室から出て行った。

皆がいなくなって、少しした後。

「じゃあ、優花。……行くぞ」

「うっ、うん!」

私と愛美は、鬼ごっこの鬼として生徒会室から出た。