私は、沢山沢山お昼ご飯を食べて。リレーの前の、応援ダンスをした。結構、大変だった。バランス崩して、倒れそうになったし。

それに……。

「優花、ダンス可愛かったね」

と、藍が皆の前で、普通に抱きついてくる。

「ぅわぁ……。ちょっ、ちょっと。流石に、全校生徒が見てる時に、抱きついたら…」

「えっ……?僕の事嫌いなの……?」

藍が、ウルウル涙目で私を見てくる。……くっ、やっぱり藍は、雪斗と同じくらいの攻撃力を普通に持っているな……。

「ぃや、嫌いじゃないけどね?泣かないで?」

「そっか、嫌いじゃないなら良いの!」

「……………」

またまた、藍の嘘泣きに騙された……。

「ん?優花、どうしたの?」

「いや、何でもないよ。藍も、ダンス格好良かったよ」

勿論、愛美も雪斗も皆格好良かった。

「……………」

藍は、顔を真っ赤にして俯いた。

「藍?風邪?」

「…………んん」

藍は、首を左右に振った。私は、一応確認として、藍のオデコに手を当てた。藍は、体をビクッと震わせた。

「結構熱いよ…?リレー、休んだら?」

「……大丈夫……」

「そう?……辛くなったら、すぐ休んでね?」

「……うん、分かった……」

藍は、まだ顔を下に向けていて私の方を見ようとしない。

「…あっ、藍、もうリレーの時間だよ?行ってきたら?」

「……うん、行って来ます」

「行ってらっしゃい。頑張っ…」

私が、藍に手を振ってる途中で、誰かに後ろから頭を叩かれる。

「いった……。ちょっと!風真君!」

「お前、ちゃんと応援しろよ。優勝したいならな」

「素直に、応援してって言えば良いじゃんー!その言葉凄い、上から目線だよ!」

「うっせ。良いから、応援しとけバーカ。幼児体型」

風真君は、私が怒りそうな事を言ってから。走って藍の背中にぶつかって行った。

勿論、藍は怒って風真君のお腹を一発殴ってた。

「団結力あるのかな…。あの二人…」

本当に不安だよ…。会長なんて、マイペースだから、普通にバトンを落としそうだよ…。

「……って、マイペース関係ないか……」

ああーもう。私が、走るわけじゃないのに手が震えてきた…。

「大丈夫?優花」

雪斗が、私の頭に顎を乗っけて聞いてきた。

「重いよー…。って、大丈夫なわけ無いじゃん…。あの三人だよ?…地味に仲悪い…」

「まぁ…ね。でも、足は速いから。あの3人は。心配しなくて、大丈夫だよ。多分」

「多分は、いらないよ……。余計心配に、なっちゃうじゃん……」

「あはは…。ごめん…」

雪斗は、私の頭から離れて私の隣に来た。

「でも、あの三人なら出来るって信じたいな…」

「僕も同感」

「だから、私達は心配じゃなくて応援しないとね…」

私が、えへへっと笑うと雪斗も笑う。

「あっ、もう始まるね……。最初は、風真なんだ……」

「本当だ…」

私は、深呼吸をする。雪斗も、同じように深呼吸をしてた。

『位置について…。よーい、ドンッ!!』

ピーッと、笛が鳴り走り出すリレー選手。