しばらく、風に当りながら彼を待っていると ドアの開く音が聞こえた。 来た。振りかえると茶色の髪が夕日に当っていて 放課後だと余計綺麗に見える。 「何?話って」 早く内容を聞いてしまいたい私は彼をせかした。 「あ、あのさ……」 やっぱり、別れ話なのか 言いづらそうにしている彼に 私も黙る。 「あの……お前のこと、 親父に紹介したくて」 え? 「ちょ、そんな事?」 私が大きな声でそう言うと 「そんな事じゃねぇよ! 俺には大事な事なんだよ」 と言った。