「…今からお前を、一切の愛情なしで、抱く。

おふくろが犯されたのも、十七の時なら、千歳、お前も十七。

しかも、俺はおふくろを犯した二人組の、どちらかの血を受け継いでいる。

だから、おふくろが成仏する為には、目には目を。

この写真の城戸祐子に生き写しの、十七歳の身体を持った千歳、お前が結局、残念ながら贖銅になるしかなさそうだぜ…」






…千歳は、壊れた。壊された。

程なくして、荒々しい車のアクセル音が、城戸の家の門をくぐり抜けていき、その後ろ側でそれを見送る一人の老婆がいた。

その約一時間後、城戸の家の一角が、赤色に包まれていた。

※※※※※※※※※

「…千歳、そろそろ行くぜ。

服を着て、シートベルト、きちんと付けとけ?

事を起こす前に、事情聴取なんて、格好悪いからな。

ただでさえ俺、無免許なんだからな。」

「は~いっ。千歳、シートベルトつけるぅ~っ。

今、電話したら、祐子ちゃん、家にきちんといるよぉ~っ。

なんか、声ふるえてたけれど。」

「よし、行くぜ。

祐子さんよ。あんたの支払う銭は、もうないぜ。

もう逃げられないぜ…」





-ピンポーン、ピンポンピンポーン-