贖銅(ぞくどう)の刑

あんたから私に電話をかけてきて、交渉を持ちかけようだなんて…

まあ良いわ。あがんなさいよ。

初めてってわけでもないしね。

私が、あんたとの偽物の友情に踊らされていた時分は、よく家にあげてやってたからねえ…




…何だって?まだあの写真、持ってたのかい!

それが娘に見つかっちまって?

もし万一、それをもとに、あんたの可愛い千歳ちゃんが、あんたの過去や自分の父親の事、挙げ句の果てに自分の火傷の傷の真実にたどり着いてしまったらどうしようだって?

もし、娘が私までたどり着いたとしても、私とあんたは、見ず知らずの関係だって追い返してくれだって?

…どこまでも、卑怯な女ね、あんた!

まただ!また、自分で責任を取ろうとしない!

あんたの考え方は、未だに、私達が学生の時に、現国の授業で習った話、『贖銅(ぞくどう)』そのものだ!

…罪の意識が消えてしまったのなら、思い出させてやるよ、祐子。