「…不幸、って、何だ?」

「!?」

「…運が悪い、ツイてない、って事か?

もっと言えば、俺達の十七年間の人生って、どう抗いても、ツイてなかったから、仕方がないと、とらえるべきか?」

「なっ…!?」





「…ま、全く、実君が言わんとしている事が、見えてこない。

一体どういう…」

「もしも…もしもその不幸とやらが、偶然でなかったとしたら?

お前の立場から話してやれば、お前が今日まで受けてきた、いわれのないイジメの数々、さらに、そのお前の顔の火傷までが、偶然ではなく必然だったとしたら?」

「えっ、えっ!?」

「おっ、お、お、お前のじ、人生そのものが、ほっ、ほかの誰かに作り上げられてきたものだとしたら?

お前は元々、そんな不幸な人生を歩まなくても良かったのに、誰かさんのつけを払う為に、不幸な人生を歩むように仕組まれていたとしたら!」

「ヒッ!」

千歳は、余りにもショッキングな実の発言に、目が飛び出さんばかりに驚き悲鳴をあげた。

語る実の方も、ガクガクブルブル震えながら、ゆっくり、ゆっくりと千歳のほうに恐ろしい目つきで四つんばいになって近付いてきた。