「痛い!何するのよ、お母さん!」

「金輪際、あいつ等と付き合わないって、約束してちょうだい!

…あなたが、今までさんざんな目にあわされてきたその気持ちは、よく分かる。

ほら、前にも言ったでしょ?母さんも、昔はいじめられっ子で、かばってくれる友達もいなかったって。

…今まで以上に、あなたを命がけで守っていくから…

だから、暴走族だけは、絶対に、駄目!

あいつ等は、社会の、人間のクズ、いつかとんでもない目にあってからでは遅い…」

「クズですって!クズなのは、散々私をイジメてきた、学校の連中の方じゃない!

…先生もよ!小、中、高。イジメられている私の存在、無視してた!

いいわ、またイジメられるぐらいなら、卒業してからと思っていたけれど、もう、出てってやる!」

そう言うと千歳は、祐子が止めるのも聞かずに、外へ飛び出した。