「あれ、羅衣行くん?」

「…お兄ちゃん」

「行くん?」

「うん」

「なら一緒に行こうか」

「…うん♪」

「あら機嫌良くなって。本当に羅衣は琉生が好きね」

「はは…」


笑えない。

だってあたし…お兄ちゃん好きなんだもん。

伝えることはないけれど。

お兄ちゃんは、

あたしが5才の時にやって来た。

お義父さんの連れ子。

お兄ちゃんはあたしの2つ上。