夕暮れの光が少し眩しい。 杏実の横顔を盗み見る。 今日、このまま帰ったら? きっと、この前までと変わらなくなる。 話さなくて、笑顔なんて向けられなくて、別の男と楽しそうにしているのにイライラする日々に戻るんだ。 それは、もう耐えられない。 今日、苦しいこともあったはずなのに嬉しかったから……。 心を、決めろ。