《春のことだから、春ちゃんがどんな格好でも「可愛い」ってデレるって!
でも、しいて言うなら、女の子らしい格好が好きだと思うよ。》




そんなメールを返信すると、間髪入れずにまたメールが返ってくる。




《桃ちゃんありがとうー
桃ちゃんも晴先輩をデートに誘っちゃえ》




春ちゃんってば……晴とあたしはそんなんじゃないって言ったのに。




あの日、春ちゃんは、晴とあたしが一緒に帰るところを見たようで。

後日、晴との出会いから、カフェの秘密まですべて聞き出された。





晴とデートか……。





あの日、春ちゃんと春と別れてからのことを思い出す。


晴にごはんをおごる約束をしていたあたしは、飲食店がたくさん入ってる駅ビルに案内した。



駅ビル案内板の前で、おなかが空いてて、機嫌が絶好調に悪かった晴があたしに言い放ったのは、『もちろんフルコースだよな?』




えぇっ!?最上階にあるフレンチか!?




財布を握り締めてガタガタ震えるあたしをチラッとだけ見た晴はスタスタ隣にあったマックに入っていってしまった。




結局マックのフルコース?(ビックマックLセット)を頼んだ晴。




正直ホッと胸を撫で下ろして、支払いをしようとした時、晴の手が伸びてきて、あたしが注文したてりやきバーガーセットのお金をあたしの掌(てのひら)に置いた。


そのまま、トレイを持って開いてる席に座った晴。