ーー トントン



2階に上がって来た俺は
子供部屋のドアを叩く。



が、返事はなく



ガタッ



室内は物音だけが響き渡る



「開けていいですよ」



『え?』



「その代わり開ける時は勢いよく開けて下さいね」



『は、はい… え?』



どうして勢いよく?



意味が解らない


かと言って、人の家のドアを
乱暴に開けるのは失礼じゃ…



迷いに迷いゆっくりドアを開けた



その瞬間



「わああぁあぁぁあああ!!」



部屋の中に居た子供は突然叫び出し



「守!!」



血相を変えた奥サンは俺を突き飛ばし
ドアを勢いよく開け慌てて部屋の中へ



「見てる、お母サン見てるよ…助けて…」



部屋の中は



隙間という隙間全て
ガムテープで塞がれていて



『……。』



異常に怯える子供



「見てる…見てる…」



「だから言ったでしょ勢いよく開けて下さいって!」



『すみません… えと、これはどう言う… 詳しく教えて頂けませんか?』



俺は未だに意味を理解しておらず
子供と奥サン両方に問いかる。