「後ろ、乗れ」 そう言って自転車の翼先輩の後ろに座る。 「掴まって、いいですか…?」 「当たり前」 でもどこに掴まっていいかわからない。 思いっ切りペダルを踏んだ翼先輩に、慌てて服を掴む。 目の前の景色が流れるように通り過ぎる。 風が2人の髪を揺らす。 この大きな背中の温もりを離さないように、ギュッと抱きついた。 ぐんぐんスピードを上げる自転車は、虹を目指して走る。 「あ……消えちゃう!」 だんだん薄くなっていく七色。 真っ青な空に飲み込まれていく虹。