こんなことは、人間なら誰もが常日頃から感じていることなのだし、実際休みの日に会えると、込み上げてくるのだ。


 互いの愛は結晶するものと思っていた。


 芸術家の個展に飾ってある絵や写真は、それを作った人間が命を吹き込んだもので、そんなことは十分分かっている。


 アイスコーヒーの中に浮いていた氷が残らず溶けてしまい、生温くなっているのを感じたのは、正午を回る前だった。


 すっぴんなので、メイクをしてない。


 当然グロスの色がグラスでも口を付けたところに付着してしまうことはなかった。


 いつも、カフェでコーヒーを飲む気分とはまるで違っている。 


 そんなことを感じながら、午後の時を楽しんだ。


 また明日からお互い通常通り、仕事が始まるので……。