身を引きそうになったが――――フワリ、と触れた手の温かさに気が緩む。 剣ダコか何かでごつごつした、骨ばった手。 それでいて――――不意に、涙が零れそうになる程に、優しい温もりがあった。 クッと口を結び、堪えながらも。 包帯に、零れない涙が染み込んでいくのを感じていた。