泉箕と契約して、この姿になったことは後悔なんてしてはいない。 でも・・・・・ 母さんは、私の手にかかる前に死んだ。 人知れず、あの村は壊滅していた。 『もう、死んじゃだめ?』 そう思ったのは、何度目だろう。 泉箕は、死なせてはくれなかった。 契約して、初めて彼の姿を見たが・・・・・ 彼の姿は、狼そのものだった。 白い、目の青い変わった狼。 美しく――――それでいて、恐ろしいものだった。