信じたくなくて、許せなかった。 妙に生気のした川面に、グッと手を伸ばす。 石をぬって、自分の血が川に流れていく。 大好きだったから、苦しかったと今はそう思える。 あの時は、自分が母さんを愛していたことを認めたくはなかった。 母さんの温もりも、香りも、すべて。 忘れたくはなくて、だからこそ復讐の的になった。 母さんさえ死んでしまえば。 私が生きながらえた事にも意味を持てる気がしたの。 でも・・・・・それは、人ならずのものになるということだった。