・・・・・静かに、消えようと思っていた。



私の耳元で、静かに息を整えている土方の温もりを感じながら、ただぼんやりとしていた。


少し陰った橋の下は涼しかったはずなのに。


土方の熱で、私は夏の暑さに加えて更に暑かった。



「・・・・・帰るぞ」


「え?」


「おめぇの居るべき所・・・・・帰るぞ」



顔が熱気で火照りだした頃、土方は私を離して歩き出した。


もたもたと、意味が分からずうろたえる私を、土方は振り返る。