------ ---- -- 賑わう京の町で、昼飯を作っている店から、匂いが漂う。 壬生寺、屯所、近辺に千歳の姿は無かった。 ・・・・・となると、あそこ以外に、浮かぶ所は無かった。 「くそ・・・・・っ」 草履も、揺れる袖も、邪魔で仕方が無い。 急ごうにも、急げない状態に顔をしかめた。 サァァァァァッと、水の流れる音を耳にしながら、キョロキョロと辺りを見渡す。 山崎の話によると、千歳の姿はかなり薄れているとの事だった。