土方は微笑みながら、静かに私に近付いてくる。 しかし、ある一定の所で土方は歩みを止め、眠そうに欠伸をした。 ・・・・・ただ、その目が赤くなっていたのは、眠気だけではないだろう。 「ねぇ、土方。ちょっと聞いても良い?」 後ろを振り返らず、私は土方に尋ねる。 顔を見たら、また悶々と、考えに引き戻されるだろうから。 縁から見たら、空は更に狭苦しく見えた。 そんな空を、雲が静かに流れていく。 「・・・・・あぁ」 少し経ってから、土方から、その二文字の返答があった。