自分の使っていた布団を、そっと眠っている千歳に掛ける。 泣いていたのか、頬には白い筋が出来ていて、瞼が赤く腫れていた。 もし、俺が消えたら――――千歳は、泣くだろうか。 そんな事を考えながら、あの日、千歳を見つけた。 そして、千歳は泣いた。 『俺は、千歳に泣いて欲しくない。 ――――でも、今、千歳が俺に消えるなと泣いてくれたのなら、幸せだ』 「千歳は、おめぇが嘘を付いた事、知ってたぞ」 土方のその言葉に、千歳の頬を撫でていた手が止まる。 ・・・・・あぁ、知ってたのか。