ううん、土方、本当は―――― 見えなくなった、土方の背中。 悲しそうに、苦しそうに笑ったあの顔。 花火の光が、夜空に煌きを残しながら、消えていく。 腕に残った温もり。 ・・・・・でも、それは花火と同じように薄れ、スゥッと消えていく。 「――――本当は違うよ、土方」 川原に花火の光が、石を赤く、青く、淡く染め上げる。 届かない叫びは、花火の音に掻き消されていった。