------ ---- -- 結局、戻って来た血だらけの土方の目には、何も映ってはいなかった。 ただ、ぽつりと無感情に、ただいまと呟いただけ。 『八月十八日の政変で御所に火を放ち、将軍と会津藩主を暗殺。 そして、天主様を誘拐する』 表情の消えた顔で、幹部に結果を伝えた土方。 ・・・・・ただ、二つの瞳だけが光を放っていた。 あの時降っていた雨は止み、闇の中に古高の悲鳴は消えた。