喉がカラカラに渇き、手は情けない位に震えている。 力の抜けそうな指に力を込め、私は土蔵の戸を開いた。 「土方・・・・・あの」 ――――そう、消え入りそうな声で呟いた瞬間だった。 「おい、吐けつってんだろうがぁっ!!」 そんな、一度だけ聴いた事のある土方のあの声を、再び聞いたのは。 ムッとした土蔵の中で、小さな蝋燭がチロチロと揺れている。 その百目蝋燭が立っているのが、人の足の裏だと。 二回から、人が逆さに吊り下げられているのだと。