「河原の方まで降りてみるか。 ・・・・・今日は暖かいし、昼飯も持って来たからな」 懐から竹包みを取り出し、ニッと笑う土方は、心の底から楽しんでいるようだった。 ここに来てから、ある意味初めて見た、子供のような無邪気な笑顔。 土方に、笑顔で頷き返しながら、私は手を引かれるままに河原へ降りる。 「わぁ・・・・・っ、凄い・・・・・っ」 下から見上げる桜、風に吹かれて舞う花びら。 そして、水面に浮かび、映る空の上を流れていく桜。 高ぶる気持ちを抑えきれずに、私は土方の手をグイグイと引っ張る。