ガシガシと下ろしたままの髪をグシャグシャと乱し、苦笑しながら私に尋ねる。 ・・・・・くそ、この美丈夫め。 何しても、様になるのだから腹が立つ。 「私は別に・・・・・どっちでも、いい」 そんな私の気持ちをよそに、微笑み続ける二人に、ツンッとそっぽを向く。 少し突っぱねるような言い方をしながらも、心の中では桜の美しさを想像していた。 ・・・・・住んでいたけれど、見たことは無かった桜。 ただ殺風景な景色と、雪しか私の視界には映らないと思っていた。