凛はキッチンに立つ母親を横目に自室に行こうとした。しかし何かを思い出したように母親から声を掛けられる。 「あ。そうだったわ。凛。」 「ん?」 「貴女宛に何か届いてたわよ。」 「私に?」 テーブルを指差されて凛はそこを見る。確かに段ボールが置いてある。小首を傾げながら段ボールを見るが差出人の名前は書かれていない。しかし宛先人――――凛の名前は書かれていた。