『聞いた!?村上先生が転勤だって〜!』 『え〜?わたしは暴力沙汰だって聞いたよ?』 『どっちにしろこの時期に離任とか珍しいよね〜』 『ね〜?』 廊下から聞こえてくる女の子達の声を尻目に凛は“紙”をグシャッと握り締める。 頭を抱える凛は一人、放課後の放送室に居た。 今日のアナウンスもやはり凛だった。最近は高確率で凛に当たるが仕方ない、と溜め息をつく。何故なら“居ない”からだ。