あれ…?

梨花、どこに行っちゃったんだろう。

翼もいないし…。


私は辺りをキョロキョロ見渡した。


「れーいっ!! 綾子、探してたよっ。」


「え、本当??」


「写真撮るって。ほら、急いで、急いで。」


うわ、だから梨花も翼もいないのか。

二人ともどこ行っちゃったかと思った…。


急いで綾子の控室に入ると、既に写真撮影は始まっていた。


「玲、こっち!!」


梨花に声をかけられ、慌てて列に納まる。


「遅いじゃん。」


「だって、ロビーに誰もいなかったから…。」


「上原さん、迎えに行ったでしょう?」


え、―――?


「翼が??」


「会ってないの?

渡瀬さんと一緒のところに迎えに行かせるの、どうだろうって思ったんだけど。

僕が行きますよって、言ってくれてさー。」


―――――!!!


え、嘘…。


「会ってないよ…?」


「あ、そうなの? 

玲たちの方に歩いて行ってたけど、会わなかったのかな?」


―――――――。


会わなかった、わけじゃない気がする…。

だって、梨花がいた場所から見えなかっただけで、そう遠くにいたわけじゃない。

こっちに、歩いてきたならば、すぐに見つけられたはずだ。


「……っ。」


翼は、声をかけなかったんだ。


私と航太の話、聞こえてた―――?


ぐらりと天井が揺れる気がした。