「髪、切ったからさ、すげえ似合う。

何かすっきりして、めちゃめちゃ可愛い。」


「良かった、―――。

翼がどういう反応するか、不安だったの。

ふふ、嬉しいなっ。

ね、ごはん、どこ行く?」


「…っ。」


あー。駄目だ。

無邪気に、はしゃぐ玲が可愛くて仕方ない。

つやつやに光るグロスなんて、

…もう反則技でしょう?


デート、デートと喜ぶ玲の腕を、俺はぐっと引っ張った。

突然、引き寄せられた玲は、驚いたように大きな瞳で俺を見上げる。


「翼??」


「…これは、俺の為に?」


「翼が喜んでくれる顔、見たいから。」


ふふふ、とちょっと脱力感のある笑みを俺に向けて、玲は舌をペロリと出した。


「……っ。」


「こういうの、好き??」


その顔がたまらなくて、俺は玲を抱き上げた。


「好き。」


めちゃくちゃ、好き。

あーもう、これが無意識だから、玲って最強。


「えっ、ええっ!?

きゃあっ、―――――!!」


いきなり抱きかかえられた玲は、焦って俺にしがみついてきた。


「た、たすくっ!!」


戸惑う玲を無視し、ベッドルームへと運ぶ。

壊れ物を扱うように、そっとベッドに寝かせると、玲は慌てて起き上がろうとする。

そんな玲の肩をゆっくりと押し倒し、顔をぐーっと近づけた。