強がっていた気持ちも、しゅるしゅるしゅるーっと音を立てて消えていく。


「ふあ、…。」


翼に会ったら、ちゃんと謝ろうって決めてたのに。

私はまた、流されている。

威を張ってたって仕方ないじゃんね。


ちゃんと、謝んなきゃ、―――。


まずは、それからだ。


「…翼、ごめんなさい。私が悪かったです。」


「何が?」


何が…?

何がって、全部だよ…。

もうっ、―――。


さらっと余裕をみせる翼に、悔しくなる。


いや、いや、そんなこと思ってるってバレたら…。

…バレてる、か…。


「…翼の気持ちを考えなかったから。

翼を、傷つけてしまって、本当にごめんなさい。」


「ふーん。」


「今回のことは、全部、私が悪いと思う。

翼なら何でも許してくれるって、甘えてた。

何言っても許してくれるんじゃないかって…。

本当に、ごめんなさい。」


「それから?」


首を傾げて、私を覗き込む翼に、


「翼と一緒に、ごはん、食べたい。」


と、ちゃんと瞳を見て、告げる。


翼のそばに、いたいから、―――。


「よくできました。」


翼は私に向って、満面の笑みで両手を広げた。


「……っ。」


脱力…。

もう、そのひと言。


だって、…。

さっきからもう、翼の胸に飛び込みたかった。