あれからすぐに、俺たちは一緒に暮らし始めた。
うん、―――。
まあまあ、上手くやってる方だと思ってる。
朝練を終え帰ってくる俺と、入れ違いに仕事に向う玲。
お互いの生活は、微妙にズレてはいるけれど。
お互いの個室に、ベッドルーム。
そして広めのリビングという、3LDKのマンション。
家賃は高いけれど、何より玲と一緒ってところが嬉しい。
食事は全て、玲が担当してくれている。
休みの日にまとめて買い物をし、玲はテキパキと下ごしらえをして冷蔵庫に納めていく。
玲の料理は、好きだ。
味覚と笑いの感覚が似てるって、最高だよ。
冷凍できるメニューは冷凍され、俺は一人でも家で食事にありつけるようになった。
「今までどうしてたの?」
「外食オンリー。」
今じゃあ、リンクにお弁当まで持たされるんだからね。
やっぱ玲って、いい女だと思う。
そして後は、俺の担当だ。
比較的、昼間に家にいることが多いから、掃除、洗い物、何でもござれ。
俺、意外と、家庭的なんですよ。
二人の休みが合う時は、ゆっくりと愛を確かめ合いながら過ごす。
玲はよく笑い、そしてよく泣く。
相変わらずの可愛さで、俺をメロメロにしてしまう、憎いやつ。
いや、ほんとに惚れたもん負けですよ。
あんなに睡眠障害のあった玲が、俺の腕の中で安心しきって眠っている。
あーもう、愛しくて仕方ない。
そして、暖かくなったら。
玲は俺だけの、本物のお姫様になる。
いつまでも、いつまでも、幸せに、暮らすんだ。
そう思っていたのに!!