「いいお式だったね。」


「ねーっ。

みんな嬉しそうで、幸せそうだったなあ。

っていうか、諏訪さんと諏訪さんのお父さん、似すぎっ。」


翼と並んで駅まで歩く。

今日は諏訪さんと桜木さんの結婚式だった。

澄みきった空は、青く高い。

雲ひとつない青空が、二人の門出を祝ってるみたい。

なんて、ね。


「ふふ。新郎の父なのに、お父さん泣いてたね。」


今、思い出しても、感動が溢れてくる。

桜木さんは本当に綺麗で、シンプルなウエディングドレスがとっても似合ってて…。

あー、…素敵だったなぁ。

私はうっとりしながら思い出す。

終始、照れっぱなしの諏訪さんも、嬉しそうに桜木さんを見つめたっけ。


「あんなに幸せそうな桜木さんを見てたら…。」


「結婚したくなった?」


「うん。結婚式は女の子の夢だからね。」


「へぇ、玲もそんなこと思ってるんだ。」


意外そうに笑う翼。


「え、おかしい??」


翼さん、私のことどんなふうに思っているんですか。

何となく、おもしろくない私。

ま、それは私の小さなヤキモチなんだけど。


翼と私は、結婚式の受付をそれぞれ諏訪さん、桜木さんに頼まれた。


案の定、ね。

翼の方には、女の子たちの行列が…。