明け方、――――――。



携帯が鳴り響く音で、目が覚めた。


「…あ、……。」


ごそごそと起き出す玲を、ぼんやりと目で追う。

まだ4時半にも、なっていない。


こんな時間に、…電話……?


明け方に鳴る電話なんて、いい知らせのはず、ないだろ。


『どうした?』


『わかんない…。』


お互い、目で会話する。


「取りあえず、出なきゃ…ね。」


玲は俺に気を使ってか、ベッドからソファへと移動した。


「…りょうちゃん、こんな時間に、どうしたの??」


玲の顔が、不安そうに歪む。


りょうちゃんていうのは、確か…。

玲の友達じゃあ、なかったっけ。


そんなことを考えながら、起き上がる。



「…ひ…っ!!!」



その刹那、――――。


玲の、声にもならない悲鳴が、俺の耳を劈いた。



―――――――!!



一瞬で、頭が覚醒した。


「あ…、あの…。」


放心したまま、空を見つめる、玲。



麻友理って、……、あの…?


いわゆる玲の、……?



「へっ―――!! 

まっ、麻友理っ!!

えっ!!!」




何かが、起きた、――――。




俺は、息を殺して、玲を見入る。



「何っ、―――――!?

りょうちゃん、何、言ってんの―――!!」



――――――――!!



「いやあああああぁぁぁぁぁっ!!!」