私は、吉野玲。22歳。

来年春に大学を卒業し、社会人になる。

現在、学校の卒業制作課題、アルバイトと忙しい毎日を送っている。


付き合いだして2年目の彼は、渡瀬航太。

25歳の会社員。

今、私がアルバイトをしている、商業関係のデザイン事務所で知り合った。

航太も学生時代にここでアルバイトしていて、私の先輩だったんだ。

現在は就職して、大手広告代理店で働いている。



「俺、昼間っから飲んじゃっていい?」


「いいよ。帰りは私が運転するから。」


「やったっ!!お願いしますっ。」


電話の向こうで、はしゃぐ航太が容易に想像できて。


駄目だ、―――。

私まで釣られて、嬉しくなっちゃう。


「じゃあ、11時に。」


「わかった。」


電話を終えた後も、つい、にやけてしまう。


早く、明日にならないかな。


興奮しちゃって、今夜は眠れないかも…。


そうだ。


何を着ていけば、喜んでくれるのかな。

お泊りの用意だって、しとかなきゃ。

絶対、朝、バタバタしちゃうんだから…。


早起きして、髪も巻いて。

ネイルサロン、行ってて良かったぁ…。

この前買った、ピアスもしていこう。



ねぇ、航太。


早く、会いたい。



明日が、待ち遠しいよ―――。