「話は戻すよ?

もう、正直、蒸し返すのも嫌なんだけど。」


「……っ。」


「クリスマスの時、――――。

俺、麻友理に確認したよな? 

酔ってて記憶が定かではないから、何があったか教えてくれって。

玲との関係を崩すようなことしてしまって、申し訳ないって、俺、お前に謝ったよな?

そしたら、麻友理、私が抱きしめて欲しいって無理やりお願いしたからって。

ちゃんと玲に話せば、玲はわかってくれるって、言わなかったっけ?

自分も出来るだけフォローする、玲に謝るって、言ったよな?」


「う、うん…、言ったわ。」


矢継ぎ早に質問を投げかける航太に、動悸が激しくなっていく。


「麻友理、正直に話してくれよ。

…俺はいいよ。責任あるから。

玲はどうなんだ?

玲の事、騙したのか?」


「だ、騙したって、何のこと…?

そんなの、誰からそんなこと、聞いたの…?」


直球で来る質問に、眩暈がした。


「誰だっていいじゃないか。

本当の事を教えてくれないか。

責めているわけじゃない。

本当の事が知りたいんだ。」


「……っ。」


いつもの、航太の甘い優しい、瞳。

だけど、その瞳の奥に隠された憤りが、私を確実に射抜いていく。


―――――――。


真っ直ぐな瞳は、もう嘘が通用しないことを物語っていた。