「…え、あの、私、何か…した?」
泣きそうになるのを我慢して、震える瞳で航太を見上げた。
「麻友理さ、俺と玲の事、嵌めたの?」
―――――――!!
「……っ!!」
凄まじいスピードで放たれた矢は、私の心のど真ん中に命中した。
「…え、玲…?
え、どういう…ことか、わかんない…。」
「聞いたんだよ。2年前のこと。」
―――――――!!
「麻友理、―――――。
正直に、話せよ?
俺らがちゃんと付き合い始めたこと、友達に報告したら、みんな喜んでくれたって、言ってたよな?」
「え、ええ。言ったわ…。」
「その時にさ、―――。
綾子ちゃんたちが、玲にも伝えてくれたみたいって、言ってたよな?
わざわざ報告してくれて、そしたら、お幸せにねって、メールが届いたって。
あの時、嬉しそうに俺に言ってたじゃん。
私たちの幸せは、玲を無視しては語れないわねって。
なあ、あれ…、嘘だったの…?」
「……っ。」
「そもそも、――――。
俺、玲に連絡が取れないって、言ってたじゃん?
付き合うなら、きちんとしたいって。
玲にちゃんと謝りたいって話、何度かしただろ?
麻友理は、連絡出来る状況だったってこと?」
「あ、あのっ…。
それは、私が直接、じゃなくて…。
綾子が勝手に、……。」